10 12 2021
釧路湿原と音楽の話
先日、高知Xptで開催された照井さん率いるROMENのLIVEに行ってきた。
高松でのLIVEはお手伝いもあり、じっくりと音楽を聞けなかったのだが、昨夜はゆっくりとLIVEを楽しむ事ができた。
思えば一週間前、僕は釧路湿原が見渡せる丘の上にいて、
何をする訳でもなく6時間ずっと景色を見ていた。そこは人工物も無ければ人工的な音も一切ない場所。
熊が出る場所という事もあり最初はビクビクしながら、目視で熊が出ないか確認しながら景色を見ていた。
景色を見て2時間を過ぎたあたりから、感覚が研ぎ澄まされてきたのか、風の匂いと音で動物の気配が分かる様な感覚に。そこから不思議と自分の感覚が鋭くなっていくのが分かった。
風の音が見えるような感覚。
翌日ちょうど24時間後に僕は東京の真ん中にいた。
東京の街を歩いていると、突然ビル群が迫ってくる感覚になり、激しい頭痛と吐き気に襲われた。
30分もすれば順応して頭痛も吐き気もおさまったのだが、原因を考えるに恐らく耳から入ってくる東京の音の多さに身体が対応しきれなかったのだと思う。
僕たちは雑音の中で過ごして知らぬ間に大きなストレスを抱えている。
目で見る物に囲まれた世界だから、耳から入る感覚や感性を大切にしたい。
そう感じた1週間。
そんな事を考えながら、昨夜の照井さん率いるROMENのLIVE。
3人から発せられるそのグルーブは脳内トリップ全開。
圧倒的な技術とセンスと感性。
アクセル全開で疾走する車の映像が頭に描写されたかと思えば、深い森の中へと案内してくれる。そんなLIVEだった。
深い感動で涙が溢れてきた。
それは釧路湿原で景色を見ていた時と同じような感情。
感性に満ちた人達が奏でる音は自然の奏でる音に似ているという事か。