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大岐の浜を見て環境保全について考える

先日、大岐の浜に行ってきました。アイキャッチ写真はその時の映像です。
とても綺麗な砂浜で海も本当に綺麗ですね!

でもこの綺麗な大岐の浜のビーチも、この数年の間で一気に砂が少なくなってきているのを感じています。
これは僕だけではなくて、周りのサーファーもよく言っていて、

先日、ローカルの方に20年くらい前の砂浜と海の境目を教えてもらうと、本当にビックリするくらい砂浜が無くなってきてると感じました。


ちなみにこちらは2014年に撮影した大岐の浜の写真。
干満差や写真の撮影ポイントによって差はありますが、昔はフラットだった砂浜に対して、最近の写真では段差ができているのがわかります。


2021年の大岐の浜

サーフィンをする者として波乗りできる環境は後世に残していってあげたいし、なんなら僕も良い波に乗りたいと思っています。
数年前から、何か私に出来る事はないかと考え、自動販売機で飲料水を購入するのを辞めました。

自動販売機は24時間いつでも購入する事ができ、便利な物ではあるけれども、常に電力を消費しています。
購入する時に電力を消費するのは解るのですが、待機時も常に電力を消費しているのは無駄だと考えました。
それは自動販売機で購入するのを辞めれば、無駄な電力を抑えられると考えた行動でした。

しかし、大岐の浜の砂浜が無くなっている原理をしっかりと考えた時、
もっと大きなマクロな視点で物事を考え、ミクロな行動する事が大切なんだと気づきました。
海に流れる水は川からやってきます。川の水は山に雨が降って川に流れ、そして海に戻って行きます。
そして海から蒸発した水蒸気が雲になって風に流されて山に雨を降らせます。雲は低気圧となり海面に波を起こし、
それが海岸に辿り着き、波となってサーフィンをすることができます。
山や川、海や雨も、そして雲や風も全ては繋がっているという事。

全国各地のビーチで砂浜が無くなってきているのは、
護岸工事による海流の変化
気象条件(台風の大型化)の変化
などが挙げられますが、僕は原因のひとつに
山間部の伐採が大きく関係しているのではないかと思います。

通常、山に降った雨は川にすぐ流れるのと同時に、山に染み込みじっくりと年月をかけて川に流れ出ます。
しかし太陽光発電や風力発電の建設、間伐、針葉樹の植林によって山は保水力を失い、
土壌に含まれる細菌も減り(海で魚が獲れない理由のひとつでもある)一気に川に雨水が流れるようになりました。

このところの全国的に見られる河川の増水や、土砂災害は保水力を失った山が力を亡くした結果だと思います。
保水力の失った山は水を止める事ができず川に放出する事で、降水時に一気に海に川の水が流れていきます。
本来ならある一定の速度で海に流れているため、砂浜も流れ出る事はありませんでしたが、流れ出るスピードが
圧倒的に早いため、ビーチから砂浜が減ってきているのではないかと。
つまり、海を守る為には、山を守る必要があると言う事です。

私の例で考えると、電力消費を考え自動販売機で飲料水を購入しないという行動は良い事だと思いますが、その私が自動販売機を作っている会社や、太陽光発電を建設するために、山を切り開く会社に投資していたら、その行動自体が意味が無くなるのではないかと。。
私の家の近所にドブの様な汚い川があります。

私が小さい頃、お年寄りから「昔はこの川でも泳げたし、鰻や魚もいっぱいいた」と聞かされ、驚いた記憶があります。
20〜30年後、私達の孫の世代に
「この海は昔サーフィンができていたんだよ」

と言わなくちゃいけなくなる前に、しっかりとした考えを持ち、自分にできる行動をしていきたいと思いました。