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【ウィチョール族のおっちゃんとの話】メキシコで絶対外せないお土産②

ウィチョール族というメキシコ原住民インディアン達がビーズで作ったアートがあるという事は写真か何かで見た事あったが、
実際に国立人類博物館で現物を見た。

 
 

 
 

 
 
あまりの美しさに驚いたと同時に、ウィチョール族に会いに行きたいと思った。
 
しかしウィチョール族はメキシコシティーからずっと北にあるグアダラハラという町から更に山奥に住んでいるという。

 
メキシコシティーからだと約14時間くらいかかるらしい。また道程は険しく、ガイドもしくは現地の人間がいないとなかなか行く事が難しいらしい。
 

 
ウィチョール族に会いに行くのは次回にしようと思っていた時、僕はとある店先でビーズで作られた作品が並んでいるのを見つけた。
 
 
 
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ウィチョール族のビーズアート


ウィチョール族のビーズアートは木型や陶器の型にワックス(いわゆる糊)を塗り、ビーズを1個1個丁寧に貼り付けていく。
とても気の遠くなる作業であると同時に、そのデザイン性にも驚くばかりである。
しかし凄い想像力である。
 
このビーズ作品を制作する時に欠かせないのが、ペヨーテと言われる幻覚サボテンだ。
 
ペヨーテサボテン科ウバタマサボテン属(ロフォフォラ)の植物。とげのない小さなサボテンで、アメリカ合衆国南西部からメキシコ中部に原産している。
要はドラッグとして認識されている物ではあるが、
古くからメキシカンインディアンに伝わっており、宗教儀式の際にこのペヨーテが用いられる。
 
16世紀にメキシコに侵略したスペイン人の記述にも、このペヨーテも事が書かれていて、
 

「ペヨーテを常日頃から食べているインディアン達は勇敢で強く、未来を予見できる力を備えている。」

 
と思われ、当時のスペイン人からは悪魔の根として恐れられていた。
 
インディアン達はペヨーテを宗教的儀式で使用するとともに、万能薬として古くから活用しているらしい。
 
つまり彼らにしてみれば伝統的な薬でもあり、一概でドラックとしてくくる事はできない物でもある。
 
宗教的儀式で使用した際に見える幻覚を織物にしたのが、ウィチョール族のビーズアートの始まりとも言われているらしい。
 
 
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店内へ

 
話が少しそれたので話を元に戻すと、ウィチョール族のお店を見つけた僕は早速お店に入った。

 
店内には所狭しとビーズアートや織物が並べられていた。

お店には50代くらいの中年のおじさんがいて、英語で話かけてきた。
彼はウィチョール族出身で、ビーズアートを売って生計を立てているらしい。
 
なかなか陽気なおじさんで僕達は一気に意気投合して1時間くらい話し込んだ。
 
 
しかし写真では伝えきれないくらい素晴らしい作品の数々だった。
 
あまり長居しては商売の邪魔にもなるので、数ある作品の中から僕はパンサーのビーズアートと、織物を購入した。
 
 
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購入した物

 

この作品にもペヨーテが描かれており、ウィチョール族の人達にとってペヨーテがどれくらい大切な物か伝わってくる。
 
またパンサーの置物にも

ペヨーテが表現されていたり、
 

左頬のあたりにはシャーマンの女性が表現されていたりと、所々にウィチョール族にとって大切な物が表現されている。
 
さあ作品も購入したところで店を出ようとしたところ、そのウィチョル族のおじさんが僕に話しかけてきた。
メキシコは寒暖差が激しく、この日はとても冷え込みの激しい日だったので、僕はアークテリクスの黒いマウンテンパーカーを着ていた。
 

「君が着ているそのカラフルなマウンテンパーカーとてもいいね!日本で買ったのかい?」

 
僕は一瞬何を言っているのか分からなかった。僕が着ているのは黒いアークテリクスのマウンテンパーカーであり、カラフルな物ではない。
 
そう思いながら、何気におじさんが作業している机の上を見ると、そこには食べかけのペヨーテがあった。
 

 
おじさんは幻覚が見えていたのか、僕の黒いマウンテンパーカーがビーズアートの様にカラフルに見えていた様でした。
 
僕はなんだか嬉しくなり、バックに入っていたマルタイの棒ラーメンをおじさんにプレゼントして帰路についたのでした。
 
 
今回メキシコ・キューバで購入した物は瀬戸内Whiskey’sやTraditional Apartmentで販売したり飾ったりしていますので、ご興味ある方は遊びに来てくださ−い!
 
つづく