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【キューバの旅〜DAY2】知らないヤツに付いていくな②〜高松ゲストハウスTraditional Apartment〜

【知らない人についていくな②】

 
彼は携帯電話で撮影した写真を見せてきた。
それはフェルナンドと女性がKISSしている写真だった。しっかりと酔いが回っているのか、彼はまだ何を言っているのか分からなかったが、とにかく落ち着かせて話しを聞いた。
 
 
ことの顛末はこうだ。
 
 
僕と別れてレストランに入ったフェルナンドと黒人イモト達一味は、一緒に食事を始めたらしい。
料理が運ばれてくる前に、黒人イモトの彼氏から、女性を紹介してあげると言われ、フェルナンドも快く承諾し紹介された女性の4人で食事を取った。
その後に一番最初に連れて行かれたBARに行き、ハチャメチャ騒ぎをしたらしい。そして「今からもっとエキサイティングしよう。だから俺も連れて来い」と黒人イモトの彼氏に言われて僕を探しに来たらしい。
 
 
 
そして酔っ払ってご機嫌な彼が僕の隣に座っている。僕は呂律の回っていない彼に聞いた。
 
 

僕「食事のお会計は誰が払ったの?」

 

フ「あ〜、支払いは全部俺が払ったよ〜。」

僕「いくら払ったの?」

フ「200USDくらいかな〜」

僕「飲み代は?」

 フ「そ〜れ〜も俺が払った〜。だ〜か〜ら、、今から一緒に戻って楽しもうぜ〜」

 
 
 
誰が聞いてもフェルナンドは騙されているのは明白だが、彼も気持ち良く酔っ払っているのでそこには触れずにいた。一緒に行動を共にしなくて良かったと改めて自分を褒めてやりたくなった。
そして「知らない人には付いていったらダメよ」と小さい頃から母親に言われた教え守った事を心の底から良かったと思った。
 
 
フェルナンドは僕の横で酔っ払って気持ちよさそうに歌を歌っている。
 
すると階段の方から声が聞こえてきた。
スペイン語で何をいっているか分からないが、声はどんどん近づいてくる。
眉毛の彼氏が僕達の部屋のある最上階まで上がってきたのだ。
 

「おい。お前達!早く準備しろ。早く行くぞ!!」

眉毛の彼氏が鼻息荒くドスの聞いた声で言ってきた。
 
 
時間はもう24時を過ぎている。ホストファミリーも寝ている時間だ。
こんなところで大声で話しされたら迷惑になる。僕は眉毛の彼氏に、今から部屋で準備するからと伝え、酔っ払いのメキシコ人を連れて一度部屋に戻った。
 
 

僕「なんでアイツが部屋に来るんだ!俺達の部屋とか教えるなよ。お前には危機管理能力という物がないのか?」

フ「よく分からないけどさ〜、早〜く、パーティーに行こうぜ〜!」

 
 
だめだ。完全に酔っ払っている。
 
 
すると彼は自分の香水を僕にかけてきた。
 
 

フ「ほら!良い匂いだろ〜。早く行こうぜ!」

 
 
その時、玄関口で扉を叩く音がした。

 

ドンドン!
 

「おーい早くしろ!みんな待っているんだぞ!」

 

 
眉毛の彼氏が大声で怒鳴る。
 
 
暴れられたらホストファミリーにも迷惑がかかるので、僕は彼にすぐ準備するから静かに待っていてくれと伝えた。
 
部屋も知られているし、とにかく一度ここを離れる必要があると考えた僕は、
 
持ち物は最小限に、現金は財布と靴下の中に分けて持っていく事にした。そして酔っ払いのクレイジーメキシカンを連れて玄関に向かった。
 
 
冷静さを取り戻した眉毛の彼氏は僕達を先導しながら階段を駆け下りて行った。長い階段を降りると廃墟ビルの前には1台のタクシーが待っていた。
 
タクシーの中に入るように促されるが、タクシーに乗るのは得策ではないと考えて、眉毛の彼氏に「どこに行くのかまず教えてくれ。」と聞いたが、既にその時にはクレイジーメキシカンはタクシーの乗りこんでいて、タクシーの中から「Let’s Go」なんか大声で叫んでいる。完全にアホだ。
 
 
僕は腹を決め、スニーカーの靴紐をいっそう強く結びタクシーに乗り込んだ。
 
タクシーに乗ると眉毛の女と、フェルナンドの携帯に写っていた女が既にタクシーに乗っていた。
僕達を乗せたタクシーはハバナの街を10分くらい移動したのだろうか、人気のない場所に停まった。
降りる時に、黒人イモトの彼氏から「タクシー料金は10ドルだから運転手に払っておいてくれ。」と言われた。
「おい。なんで俺が全部支払わなくちゃいけないんだ。」と言う間も無く、みんな降りていった。
タクシー運転手が俺に手を出してきた。タクシー運転手には罪はないし、仕方ないので財布から10ドル支払った。
 
 
そして彼らに付いていくと、そこは最初に連れていかれたお店だった。店内には俺達以外に、体格の良い白人系の男性が3人いる。いかにも格闘技をやっていそうな感じの3人だった。
 
「しかし、まったく芸がないというか、騙したり脅したり、ボッタくったりするならするで、もっと違う場所に案内するとかないわけ?」
そんな事を思いながら、眉毛の彼氏に「俺達帰るわ」と伝えるが、フェルナンドは既に席に座って女性の肩に腕を回し上機嫌だ。
 
店員の代わりに眉毛の彼氏が飲み物を聞いてきた。
 
フェルナンドが調子に乗ってオーダーする。
 
「モヒート5つ持ってきて!」
 
お前、何注文してるんだよ。これ完全にボッタくりのパターンだろ。そう思いながらクレイジーメキシカンのアホさ加減に少し呆れた。
 
仕方ないがとりあえず1杯だけ飲んで連れて帰ろう。
 
 
眉毛の彼氏が酒を運んで来たので、彼からドリンクを渡される前に、自分でドリンクを選んだ。
変な薬や睡眠薬を入れられている可能性もあるためだ。自分で選ぼうとすると特に断られる事もなかったので、どうやらその心配はなさそうだった。
 
 
すると眉毛の彼氏は「お前にも女を紹介してやる」と言って来たので、いや俺はいい。女はつけるなと断った。
 
隣を見るとクレイジーメキシカンは女とイチャイチャしている。
 
 
「おい!もういい加減目を覚ませって。お前がここにいるなら、それでいいけど、俺はもう帰るぞ。」
 
 
僕は少しイライラしながらフェルナンドに伝える。フェルナンドも僕の苛立ちに気づいてくれたのか一緒に店を出る事にした。
 
 
とりあえず会計をお願いする。
 

モヒート5つで60USDだった。

キューバにしたらめちゃくちゃ高い。だって国民の平均月収と同じ金額だよ。
 
ほら、完全にボッタくりじゃないか。このまま酒を飲んでたらとんでもない料金を請求されるぞ。
 
 
とりあえず僕は早くこの店から出たかったし、余計な面倒はごめんなので、黙って支払って店を出た。
フェルナンドはもうフラフラの状態だ。
彼の肩を抱いて歩き出した僕達に眉毛の彼氏が追いかけて来て、背中越しに何か言ってきた。
 
 
頭に来た僕は大声で怒鳴った。
 
 
「お前いい加減にしろよ。もう俺達に付いてくるな!」
 
 
 
眉毛の彼氏も興奮したのか、大声で返してきた。
 
 
すると僕達の大声を聞いたのか、仲間の様な奴等が集まって来た。
 
 
いやー、なんかちょっとマズイ雰囲気になってきたかなー。
 
と思いながら、一応臨戦態勢に入り身構えるが、クレイジーメキシカンは頭にお花が咲いている状態で、鼻歌なんか歌っている。
 
 
 
知らない土地で酔っ払いを抱えながら揉め事はゴメンなので、必要以上に彼らを刺激しないように無視を決めゆっくり歩く。
 
僕達の影が進む方向に長く伸びている。背後にしっかりと意識しながら、僕はゆっくりと進む。しかし後ろから眉毛達がぞろぞろ付いてくる。
 
 
この後の展開は公共の場では書けない事もあるので控えるが、結果としては無事に部屋に戻って来る事ができた。
 
 
部屋につくとフェルナンドはすぐにベッドに入った。
クレイジーメキシカンのアホさ加減に少し苛立ちを覚えながら僕もベッドに入った。
朝起きるとすっきりとした顔をしたフェルナンドが「昨夜の事、まったく記憶にないけど、俺どうやって帰って来たのかな?」と僕に聞いてきた。
 
俺は楽しい夜だったよ。携帯の写真を見てごらんよ。と彼に伝えた。
 
つづく